蠍座金星の愛は重いのではなく、深い

ネットや本などで、「蠍座金星は重い」「情念がこもっている」といった話を耳にしませんか？今回は蠍座金星の愛は重いのではなく、深いというお話をします。蠍座金星の恋愛観について読み解くことで、自分の気持ちを持て余している、恋愛がうまくいかない、といったことで悩む蠍座金星持ちさんや、その周りの人に対して、何か気づきを得るヒントをお伝えできればいいなと思います。

なぜ金星で恋愛観を見るのかというと、金星はメロメロキュンキュンになる状態を表し、外の世界とつながるエネルギーを持つからです。つまり金星の状態から、恋愛対象に何を求めるのか、恋愛でどういったことを楽しみたいのかがわかります。ぜひ最後まで読んでくださいね。

蠍座金星の性質と品位

蠍座金星の品位はデトリメントなので、キュンキュンポイントがマニアックになりやすいです。何かを極めればそれは個性となり、仕事で活かせる面もあるかもしれません。ただし恋愛においては、周りとキュンキュンポイントの共有ができるかどうかはとても大切です。

蠍座は水サインなので、温度は冷たくて湿っています。そこにすでに存在しているものを、自分と同化しようとするのです。蠍座の支配星は火星と冥王星のため、対象に向かってひたすら発掘。不動宮なので、一旦掘り始めたらその状態をキープします。深淵に向かって手を伸ばし続けるイメージでしょうか。

じっくりと相手を観察し、じわじわ取り込んでいく。じわじわ気持ちを温めて、ある時ズズズと動き出す。動き出したら止まらない。「相手はどんな人なの？」「どんな親元や土地で育ったの？」「その親御さんはどんな人？」ルーツが気になり、芋づる式に掘っていくのです。ずんずんモグラの穴掘りのようにたどっていく。

蠍座金星の喜びは、ずっとずっと深いところにあります。しかしデトリメントなので、気の赴くままに使うのは注意が必要なのです。

深い共感を求める

水のサインは感情ですから、深い感情を共有したい、楽しいことも、悲しいことも、飛び上がるくらい嬉しいことも、絶望したあの日のことも。深く深く結びつきたいと思うでしょう。しかし他人同士の感情について、何もかも共感し合うのは難しいですよね。特に感情は目に見えないため、どこが”底”なのかがわからないからです。

例えば「美しい手を持つ人が好き」くらいの趣向なら、共感する人はまあまあいるでしょう。ドラッグストアや雑貨屋さんには、ネイルやハンドクリームなど手に関する美容アイテムが多く見られます。それは「美しい手は素敵」という概念が社会にある程度広まっていて、「手を美しくしたい」という需要が一定数あるからこそです。

一方で、「痩せて骨ばった白い手に、長い指と爪が備わっているのが神。さらに毛深くてほくろがなきゃダメ」とかですと、マニアックすぎて共感する人は限られます。すると、なかなか周りと楽しさを共有できず、「誰もこの良さをわかってくれない…」となりがちに。恋愛は自分だけではなく、相手があってのこと。周りと共有できるレベルでキュンキュンできるかどうかがカギなのです。

もし蠍座金星が音楽にハマったら？

例えば、私は洋楽が好きなのですが、キッカケは13年程前にUKロックのオアシスにハマったことでした。オアシスのメンバーはギャラガー兄弟を中心に構成されており、二人ともビートルズびいきで有名です。兄のノエルはポール・マッカートニーを、弟のリアムはジョン・レノンを崇拝。特に弟の方はジョンのようなファッションに身を包んだり、息子さんに”レノン”という名前を付けたり、音楽性以外でもかなり影響を受けているようでした。

オアシスの音楽性については、長くなるから省略するとして。すっかり彼らのファンになった私は、もっと楽しみを追及したいと思い、オアシスの音楽のルーツである、ビートルズにも手を出しました。そこで、ジョンの経歴を調べて彼の作った曲を聴くのはもちろん、奥さんのオノ・ヨーコ氏の著作本を読んだり、プラスチック・オノ・バンドを聴いたり、息子さんたちの活動もチェックしたりしていました。もちろん同時期にポールの作曲も聞きつつ、マイケル・ジャクソンとのコラボ曲「Say Say Say」もよくBGMとして流したものです。

また、ビートルズだけに留まりません。オアシスが誰かのカバーを出せば、その元のバンドを調べて曲を聞くのです。さらにそのバンドの音楽のルーツをたどるうちに、どんどんさかのぼって古い曲も聴くようになりました。飽きるまで「好き」を追求するのです。

その結果、エレクトロポップやインダストリアル、ダークウェーブといった音楽性にたどりつきました。特にドイツの電気音楽が最高。（この辺のアーティストは黒い衣装を着てゴスメイクをし、逆髪を立てていてカッコイイ！）ロキノン系から始まり、ずいぶん遠いところへ来たような気がします。

いかがですか？ここまで読んで「ちょっとついていけないな…」と思った方は少なくないのではないでしょうか。おそらくその感覚は正常です。もし「いいねいいねーわかるー😉」と思った方は私とお友達になれるかもしれません。

繰り返しますが、蠍座金星はキュンキュンポイントがマニアックすぎて、共有できる人が限られます。だからこそ、キュンキュンポイントを誰かとわかり合えた時の喜びはひとしおです。
とはいえ、恋愛相手を見つけるのに少し苦労する面もあります。自分では当たり前の感覚の「これいいよね～！」が、相手にとっては「ちょっと何言ってるかわかんないっすね」になりやすいのです。

品位の良い金星について

逆に相手と共有しやすい、ほど良いレベルで楽しめる人は、恋愛のご縁が結びつきやすいと言えます。例えば天秤座の支配星は金星で、天秤座にある金星は品位が良いです。なぜなら、天秤座はIとYOUの丁度良い塩梅を見出すサインだから。ほど良いところで楽しめるため、誰かと共有しやすいのです。

天秤座は流行の象徴でもあります。流行りものならたくさんの人と共有しやすいですよね。だから天秤座金星は自分のキュンキュンをシェアした結果、恋愛相手を見つけやすいのです。

そして、牡牛座金星も品位が良いです。牡牛座は五感の快楽を表すサインだから。牡牛座金星は見目美しい、触り心地の良い、美味しいものにキュンキュンします。見た目が美しい人や美味しい食べ物って、一般的に共感しやすいですよね。だから金星の性質が発揮しやすいため、品位が良いと考えられます。

蠍座金星が恋愛においてうまくいく方法は？

蠍座金星の愛はマニアックになりやすいので、自分のキュンキュンポイントを追及しすぎないように気をつけましょう。

とはいえ、「あなたは今日からそこそこで満足できる性格になりなさい」と言われても、急に変わるのは難しいですよね。なぜなら蠍座は冥王星が支配するため、「もっともっと！」とスコップ両手に掘りたがっていますから。

しかしそこで、「あ、ついオーバーロードしちゃうところだったな、この辺にしておこう」とちょっと気を付けることはできると思うのです。そうすれば、ある程度のやりすぎは防げるでしょう。そして、少しずつ経験を積むうちに、自分の星をコントロールできるようになるはずです。

また、蠍座金星をサポートしてくれる天体を持つ相手と交流する、という裏技もあります。周りの人がどんな星回りを持っているのかについては、相性円（シナストリー）をチェックしてみてください。