天才画家、レオナルド・ダ・ヴィンチのホロスコープを読んでみた!

レオナルド・ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」

誰もが知る天才画家、レオナルド・ダ・ヴィンチ。驚くべき才能は占いに表れているのでしょうか?西洋占星術のホロスコープから、レオナルド・ダ・ヴィンチの人物像や人生について迫ります!この記事を最後まで読めば、ダ・ヴィンチの今まで明かされなかった部分に触れられるでしょう。

西洋占星術に興味のある人に限らず、ダ・ヴィンチファンや美術好きな人など、ぜひ読んでみてくださいね。

私とレオナルド・ダ・ヴィンチとの出会い

芸術にあまり興味のない人でも、レオナルド・ダ・ヴィンチの名を一度は耳したことはあるでしょう。私と天才画家との初めての出会いは、小中学校の美術の教科書でした。後ろのページに「最後の晩餐」が小さく載っており、綺麗だなあと思ったことを覚えています。

そして当時、中学校の担任の先生に暑中お見舞いを送ったら、返信ハガキが来たんです。「最後の晩餐」のイエス=キリストの絵が大きく描かれたポストカードに、「イタリア旅行へ行ってきました」というメッセージを添えて。それがすごく嬉しかったんですよね。その頃から、ダ・ヴィンチは一番のお気に入り画家となったのです。

歳を重ねても絵画への関心は続き、19歳の時に芸術の本場であるイタリアへ旅行に行きました。お目当ては、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ協会に収められている、「最後の晩餐」。サイズは420㎝×910cmの大きな壁画で、非常に迫力があります。完成当時にキリストの足元はきちんと描かれたものの、その後の設置場所の都合で通路として破壊されてしまった、という驚きのエピソードが。も、もったいない!また、壁画のテンペラ画(卵を混ぜた顔料で描いた絵)ということもあり、かなり痛みが進んでいたようです。

作品への負担を考慮して、室内の照明は薄暗かったのですが、その演出が作品の神秘性をより高めていました。見学時間はたったの15分間ですが、忘られない幸せな時間でしたね。その協会の近くの路上販売で、「最後の晩餐」のポストカードとポスターのセットを購入。しばらく家の壁に貼っていたのも良い思い出です。

レオナルド・ダ・ヴィンチ作「受胎告知」
「受胎告知」レオナルド・ダ・ヴィンチ作

他にも、ウフィッツィ美術館で「受胎告知」を観たり(たまたま見学者が全然おらず貸し切り状態!)、来日した「白貂を抱く貴婦人」を観に行ったり、ダ・ヴィンチ作品に触れるチャンスがあれば必ずチェックしてきました。今回はそんな思い出深い、ダ・ヴィンチのホロスコープを読んでいきます。

レオナルド・ダ・ヴィンチの基本的な性質と社会的評価

レオナルド・ダ・ヴィンチのホロスコープ
Chart Created using Astro Gold iOS

基本的な性質(性格)をつかむには、太陽と月の状態を見ます。5室に牡牛座太陽があり、5室カスプの支配星は5度前ルールで3室水瓶座火星です。さらに3室には魚座と月の合があり、ダ・ヴィンチは、「好きなものを追いかけることで輝ける人」「考えたり表現したりすることがとにかく好きな人」だと言えます。太陽の象徴は自尊心、月は感情が動く方向性、5室は愛する対象への姿勢、3室は自分の考えを表すからです。

ダ・ヴィンチは愛するものに対し、五感を使って慈しむことで自尊心を育む性質を持ちます。例えば、大切な人や趣味に関して、目で見て観察したり触れたりすることですね。昔の画家たちは、今のようにインターネットで気軽に情報を調べることができなかったため、実物のモデルを見て描くことが一般的だったようです。

ダ・ヴィンチにとって「対象を見て描く」というアプローチは、その対象に思い入れがあるほど捗ったでしょう。後述しますが、ダ・ヴィンチは愛弟子をモデルにしたとされる作品をいくつか残しています。それは、彼の芸術家としての生き方に合っていたのでしょうね。

当時の世間のイメージは芸術家ではない?

3室水瓶座のカスプが10室天秤座土星ですので、理知的で斬新なアイデアを表現することで社会に貢献する、と言えます。私はダヴィンチのことをアーティストだと思っていますが、当時の人々はそのように考えていなかったようです。ダ・ヴィンチは熱心な研究家としても知られ、科学におけるさまざまな独自のロジックを書き残しています。

西洋占星術の観点からキャリアを読み解くと、当時の世間のダ・ヴィンチへの評価は、科学者や技術者など「理系の人」だったのかもしれません。

優秀な頭脳と技術のひみつ

ダ・ヴィンチの頭脳タイプは、文系と理系のどちらも持ち合わせているようです。判断方法は、3室の状態と水星を見ます。3室カスプは水瓶座で、3室には水瓶座火星や魚座木星、月が入っています。そして、3室の支配星は牡羊座水星です。

水瓶座はロジカルで物事を組み立てて考える力、魚座木星と月は抽象的な概念を捉える力、水星は独自の方法で物事を捉えることを示唆します。

遠近法の目安の線

ダ・ヴィンチは、絵画に対して積極的に「遠近法」の一つである「透視図法」を取り入れました。「透視図法」とは、近くにあるものは大きく、遠くにあるものは小さく見せる技法のことです。書き方としては、地平線上に消失点を定め、その点に向かっていく線を基準に物を描きます。

上記の「最後の晩餐」を見てみてください。背景の壁や天井が、画面の中心に向かって小さくなっているのがわかりますか?さらに「空気遠近法」を採用。これは絵に奥行きを出すために、遠くになるほど色を変化させ、輪郭をぼかす手法です。このように、彼が理系の考え方を持つこともネイタルチャートに表れています。

一方で、3室の魚座の月と木星は、抽象的な概念を理解する力を表します。そもそも、「絵」自体が抽象的な存在ですよね。彼は想像力が豊かで、表現することに対して大らか。どんどん描いたり発表したりしていこう、というスタイルなのでしょう。

とはいえ、6室カスプとその支配星のクオリティが不動宮ですので、作業はゆっくりマイペースに進めるタイプだと考えられます。一つの作業に没頭するため、マルチタスクな作業は苦手だったのではないでしょうか。

また、牡羊座の水星は、技術を磨く上で自分なりのやり方を大事にしていた、と考えられます。例えば、絵の師匠から教わった方法をそっくり真似るのではなく、独自の解釈に落とし込むタイプだったのかもしれません。火のサインの水星は、内側に宿った発想を表に出すことで技術を磨く傾向があります。

ダ・ヴィンチは、膨大な数の手稿(手描きのスケッチ)を残しています。西洋占星術の観点からも、スケッチをひたすら描くことは、技術を高めるためにぴったりな方法だったと言えるでしょう。

レオナルド・ダ・ヴィンチの宿命とは?

レオナルド・ダ・ヴィンチ作「モナ・リザ」
「モナ・リザ」レオナルド・ダ・ヴィンチ作

ダ・ヴィンチは、他人のお世話をするよりも、自分の腕を磨くことで人生が開ける星を持っています。なぜなら、2室にドラゴンヘッド(ノースノード)、8室にドラゴンテイル(サウスノード)があるから。

ドラゴンヘッドの意味は「運が開ける道筋」、ドラゴンヘッドは「前世でやり尽くしたため、今世では難なくできること」であり、そこに頼り切ってしまうとうだつが上がらない方向性です。

8室のドラゴンテイルは、ダ・ヴィンチが人の育成に長けることを示しています。実際、複数の弟子を抱えていたため、指導が上手だったのでしょうね。8室カスプの支配星の月は、木星とのリセプションで品位が上がっています。彼は弟子の面倒見がよく、長所を見つけて伸ばすような人だったのではないでしょうか。

しかし、ドラゴンヘッドが2室にあるため、本来は自分の腕を磨き、作品を残すことに力を入れた方が良いのです。2室は「自分が亡き後に残すもの」。彼の現存する完成作品は約15点とされますが、画家としては少ない方ですよね。

ダ・ヴィンチファンであれば、労力を注げば全ての作品を直接見に行くことが叶うかもしれません(ただし公開されているものに限る)。私も完成作品の半数以上を実際に拝見したことがあります。

ダ・ヴィンチは自分の作品を残すよりも、弟子を育てる方へ意識が向きやすかったのでしょう。しかし、弟子で大成した人はいなかったそうです。ダ・ヴィンチが優秀すぎて、弟子が背中を追い越すことは難しかったのかもしれません。もっと彼の作品が残されていたなら、いずれも高く評価されていたことでしょう。

そして現在、ダ・ヴィンチのオマージュ作品はこの世にたくさん溢れています。有名どころでは映画「ダ・ヴィンチ・コード」が挙げられますが、他にも現代アート化したグッズが販売される、なんていうのもありますね。彼が2室で残した作品によって、反対側の8室「人の才能や経済」を潤わせているのも興味深いことです。

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家族同然の弟子を持った理由

10室カスプの支配星が4室に滞在し、10室カスプの支配星も4室にあります。これは、ダ・ヴィンチが社会で名を上げることによって仲間を持つ、仲間を持つことによって社会で名を上げるという配置です。つまり、画家としての名声を得ることで、彼の元に弟子が集まり、結果的に家族的なコミュニティになっていったのではないでしょうか。4室は「自分の居場所」ですので、一緒に暮らす家族を示すからです。

そして、仲間を持つことでさらに名声を得ていくループになる、と考えられます。実際、ダ・ヴィンチは生涯独身で、弟子に看取られながら最期を迎えたそうです(説による)。

また、4室のカスプは魚座で、その支配星である木星は同じ魚座に入っています。このことから、ダ・ヴィンチの仲間内のルールは相当緩いと言えるでしょう。例えば、一番弟子のジャン・ジャコモ・カプロッティはかなりの問題児で、お金を盗んだり嘘を吐いたりしたことから「サライ(小悪魔)」と呼ばれたそうです。

しかし、ダ・ヴィンチはそんなサライのことをよく可愛がったとされます。魚座はあらゆる存在に対して寛容なサインですので、家族として仲間として、不器用なサライを受け入れたのかもしれませんね。

レオナルド・ダ・ヴィンチ作「洗礼者ヨハネ」の画像
「洗礼者聖ヨハネ」レオナルド・ダ・ヴィンチ作

また、サライはとても美しい人物だったと言われています。上記の絵は、ダ・ヴィンチがサライをモデルに描いたとされる「洗礼者聖ヨハネ」です。この作品が来日した際、私は展示会場へ足を運びました。暗闇の中から浮かび上がるヨハネの姿に、ハッとしたのを覚えています。

微笑をたたえた表情やふっくらした肌の質感など、まるで本当に生きているかのようにリアル。一方で、「じゃあ人間らしいのか」と問われると、触れてはいけないような、神聖な存在という感じもします。

想像ですが、ダ・ヴィンチはきっと「美しいものを表現したい」という思いでこの作品を描いたのではないでしょうか。なぜなら、画面上には肉体に加えて、薄っすら見える布と十字架以外は何もなく、人物そのものにフォーカスしていることは明らかだからです(偏見)。

宗教画という性質上、宗教的なメッセージが込められているようですが、それに疎い者にも美しさは伝わるはずです。

腕の良い画家が描いた作品は、時代や文化を超えて、人々を引き付ける力を持つのかもしれませんね。

飽きっぽいのはなぜ?

天才画家ダ・ヴィンチは、飽きっぽいという説があるようですね。興味の対象は絵画に限らず、科学や建築、音楽など多岐に渡ったからです。ホロスコープを見てみると、たしかにそういう面はあると言えます。

1室射手座の支配星は3室の魚座木星ですので、ダ・ヴィンチは基本的に、生きるために考えを深める人です。さらに3室に天体が多く、9室の支配星が自尊心を表す太陽なので、考えたり学んだりすることに重きを置きやすいでしょう。

そして、5室牡羊座の支配星が3室の水瓶座火星なので、わりとすぐに対象に好意を持ち、夢中になる傾向があります。広く浅く把握した後、目新しいことがなくなると興味を失せやすいようです。つまり、「わあ、面白そうだ!調べてみよう」→集中的に触れる→「大体わかったからもういいや」みたいな流れですね。

ですので、急に興味が湧いたものに関しては、飽きっぽいと言えるかもしれません。しかし、現代のように、インターネットを通して気軽に新しい情報に触れられる環境が整っていれば、もう少し興味が続いた可能性があります。

一方で、5室に牡牛座の太陽があるため、実際の経験を通して徐々に好意を持った場合は、興味が長く続く傾向があるでしょう。牡牛座は不動宮なので物事を維持する性質があり、地のサインは体の象徴だからです。

5室は「愛する対象への姿勢」ですので、愛弟子サライとの関係が長年に渡ったのは、この牡牛座太陽が関係していると考えられますね。

ホロスコープは人物像を映し出す

世界的に有名でありながら、謎多き人物とされるダ・ヴィンチ。ネイタルチャートを通して、少しは彼のことが理解できたのではないでしょうか。

今後、ダ・ヴィンチに関する解明が進み、彼の性質がさらに明らかになることを望みます。その時に、このホロスコープリーディングの内容と答え合わせができると良いですね。ここまで、読んでいただきありがとうございました。

※この記事は、以前書いたものを大幅に加筆修正したものです。ネイタルチャートの正確性は不明なので、お遊び程度にお楽しみください。

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