土星の意味は試練・抑圧?こわくない土星の捉え方

宇宙の赤い土星のイラスト

土星の意味と、エレメントの性質にからめた土星の捉え方について解説します。
この記事を最後まで読めば、ネイタルの土星の意味を理解し、過度な恐れを手放すことができるでしょう。

土星は、ホロスコープチャート上に重い天体として鎮座。
凶星(マレフィック)である土星は試練や抑圧を表すとされ、西洋占星術をたしなむ人々の間で忌み嫌われています。
一般的な価値観としては、自由にのびのびできる人生の方が楽しそうですし、「プレッシャーからは逃れたい」と思うのは自然なことでしょう。

しかし、ここでちょっと待ってほしいのです。
果たして、土星は人々につらさを与え、困難な経験をさせるだけの存在なのでしょうか?
「土星への苦手意識を何とかしたい」「土星への対処法?何それ興味ある」という人は、ぜひチェックしてくださいね!

土星に込められた意味とは?

土星が表すのは、「自分が大人として保守したいもの」です。
「自分の中の社会性」とも言い換えられます。

まず、土星の温度と湿度について解説しますね。
土星は冷たくて乾燥した天体です。
冷たさとは過去からの影響力や過去の経過をたどるエネルギー、乾燥は状況を保持するエネルギーです。
つまり、「土星は過去からの影響を保持するエネルギー」を持ちます。

「過去」というのは、「すでに経過した、そこに存在するもの」を示唆します。
例えば、あなたが今手にしているスマホは、過去にスマホを手に取るという行動をした結果、その状況にあるわけですよね。
冷たい性質とは、その過去の行動に焦点が当たります。

逆に温度が熱い天体は、未来へ進行するエネルギーを表します。
これは、あなたがこの先の文章を読む、これから他に新しい記事を探して読む、といった未来を形作っていくエネルギーのことです。

それでは、最初の話題に戻りましょう。
土星は過去からの影響を保持するエネルギーがあるため、既存のルールを維持し続けることを望みます。
土星はトランスサタニアン(社会天体)と呼ばれる、公転周期の長い天体です。
このトランスサタニアンは太陽や月などのライツ(個人的な性質を表す天体)の範囲を超えた、社会や時代を象徴します。

要するに、土星の意味は、ホロスコープの持ち主の社会性や守りたいルールを示すのです。
社会に適応するためには、ルールを守ることが肝心ですよね。
法律やルールが存在することで、人々は秩序を維持し、安全に生活できるからです。

とはいえ、西洋占星術における土星のルールは、必ずしも実際の社会に沿ったルールであるとは限りません。
ホロスコープの持ち主がどのようなルールを重んじるのかは、チャート上のサインやアスペクトの状態によって異なります。

なぜ土星は不安をもたらすの?

土星は自分の中で大切にしているルールのことです。
「できて当たり前だ」と考える節もありますから、守れないと不安を感じます。
しかも、きちんと守っている時でさえ、「しっかりしなきゃ」という緊張感や警戒心を与え続けるのです。

さらに、他人から秩序を乱されるようなことがあれば、「何をする!守らせろ!!」と防衛反応を起こします。
火星とはまた違った過激な面も持ち合わせているわけですね。

例えば、火のサインの土星を持つ人について考えてみましょう。
火のサインは熱い性質を持ち、未来へ新しい可能性を求める傾向があります。
同時に乾燥しているため、自分と他人の境界線を明確にし、個人の価値観を重要視します。
その結果、「新しいことへ踏み出さなければならない」「自分で何とかしなければならない」という社会性を持ち、そういった方面で緊張を感じやすいのです。

次に、火のサインの土星を持つ人が、不安を感じる状況について考えてみます。
恋愛においてよく見られるのは、恋人が「ずっと変わらないでほしい」という要望をするケースです。
この言葉の本意は、「あなたを素敵だと思うからこそ、僕/私のためにずっとそれを維持してほしい」ということですよね。
(水サインの多い私としては、この発言者の気持ちに共感する部分もあります)

ところが、火のサインの土星を持つ人は、大人であればどんどん価値観をアップデートすべきだ、と考える傾向があるのです。
そのため、「将来結婚や家族を持つ際に、新しい価値観を取り入れていくべき。だから変わらずにいることがこわい」「社会人として常に新しいことにチャレンジすべきなのに、この人と一緒にいるとそれができない」という状況が土星の不安を引き起こし、危機感が刺激されるでしょう。
また、土星から逸脱する相手を脅威として捉え、過剰な反応を示すこともあります。

土星が恐れられる理由の一つとして、土星がもたらす不安感ももちろんですが、ルールから外れる事態が起こった時の心への影響力が強いことが挙げられるかもしれません。

エレメント別!土星の傾向を解説

各エレメントの土星の傾向について解説します。
それぞれの土星は何を大切にしているのでしょうか?
それがわかれば、土星のエレメントが異なる者同士でも理解し合う助けとなるでしょう。

火のサインの土星は、未来志向であることや、自分なりのルールを大事にします。
しかし、新しい挑戦から逃避したり、自身のルールが否定されると焦りを感じる傾向があります。

地のサインの土星は、肉体の心地良さや物質的なものを大事にします。
ですので、生活の安定が脅かされると不安を覚えるでしょう。

風のサインの土星は、客観的なルールの確立や情報の共有を重要視しますが、無秩序な状況や情報の不足が起こると不安を感じるのです。

水のサインの土星は、他人の感情に共感し合うことを大切にします。
一方で、人の気持ちを無視すると、不安や焦りが生じることがあります。

具体例で学ぶ!各エレメントの土星の表れ方

例えば「17時までに来店した小学生の子ども限定でお菓子を配布する」というイベントを実施したとします。
そこで、もし17時を過ぎてから二人の子どもがやって来た場合、それぞれのエレメントの土星はどう反応するのでしょうか?

地のサインは「せっかく遠いところから足を運んでくれたから、時間は過ぎているけどお菓子をあげよう」、あるいは「お菓子をあげるから、今度お母さんと一緒に来てね」とお店のチラシを渡し、しっかりと今後の売上への貢献につなげるかもしれません。

一方で、傍で地を見ていた風のサインは「ルールはルールだよ。それじゃあ時間通りにきちんと来たお子さんがいるのに、不公平じゃない?」とツッコミを入れそうです。

またある時、子どものうちの一人が中学生の女の子で、小学生の弟の付き添いで来たとします。
本来、姉は年齢的にお菓子をもらえないはずですが、水のサインは「弟くんだけに渡すのは可哀そうだから、お姉ちゃんにもお菓子をあげるね」と子どもの気持ちに寄り添った対応をするでしょう。

また、姉がお菓子の受け取りを拒否したとしても、「子どもなりに気を使っているのではないか」と思い、やや強引に持たせて帰らせる可能性も考えられます。
そこで冷たい対応をすると、大人としてどうなんだ…という不安が起こり得るからです。

火のサインの場合は、お菓子の配布がどんな目的や理念に乗っ取っているのかに焦点が当たります。
もしその地域の若者離れが進んでおり、どんどん子どもの数が少なくなっているとします。
そして、イベントの理念が「子どもを大切にし、地域の活性化を図るため」だとするなら、時間に遅れた子どもや年齢制限を若干オーバーした子どもに対しても、お菓子を渡す可能性があるでしょう。
理想のためにはケチケチしていられないぞ、と火のサインの土星が背筋を伸ばすからです。

風のサインと土星の相性が良い理由

先ほどの例で注意したいのは、風のサインは決して意地悪をしているわけではない、ということです。
風のサインは土星が強いので「物事には秩序を持たせることが重要だ」と考えます。
ですので、無暗にルールを逸脱した対応は行わないのです。

風のサインがルール外で対応する場合は、しっかりとした理由を求めます。というのも、明確な根拠があれば変更もOKなのです。
例えば、予想よりも子どもの数が集まらなくてお菓子が余りそうな場合、「賞味期限も近いし、配り切った方がメリットがある」と判断すれば、時間や年齢の制限を変更するでしょう。

一方で、ルールを破って特別扱いをすることで、ルールが曖昧になり、混乱が生じる可能性もありますよね。
お客さん側にとっても「前回はおまけしてくれたのに、何で今回はダメなの?」「他の人は大丈夫なのに、どうして私はダメなの?」といった疑問も起こり得ます。
社会は法律やルールなど秩序によって機能し、人が共同で生活するためには必要不可欠な要素です。
風のサインは、こうした「ルールの曖昧さから生じる問題」にも目を向け、ルールの重要性を認識しているわけですね。

経験則ですが、風のサインの説くルールは客観的に見て筋が通っている場合が多い印象です。
風のサインのトリプリシティは、昼生まれは土星の品位が高くなるため、風のサインと土星は相性が良いんですよね。

基本的には、どのサインの土星が良い悪いといったことはありません。
各土星の性質は状況や相性、時代によって歓迎される・歓迎されないかどうかが決まります。

ただし、トランジットに関しては話が別です。
土星のハードアスペクトが到来する時期は、注意が必要なんですよね。
土星についてもっと知りたい人はこちら▼

トランジット土星のスクエアが到来!実際の体験を振り返ってみた

ネイタルの土星は、社会人としての自覚を与えてくれる

大切なのは、エレメントや土星の性質を理解することです。
自分がどういった社会性を持っているのか、そしてそれを守れない時に不安になる、ということを理解しておきましょう。
意味もわからずに不安を感じるのと、不安を感じるけれどその仕組みを知っているのとでは、後者の方が冷静に対処できる可能性が高まります。
この記事があなたの従来の土星への印象を変えたり、土星へ健全に向き合うきっかけになったりすれば幸いです。

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